前庭水管拡大症ペンドレッド症候群ってなーに?

前庭水管拡大症
ペンドレッド症候群
ってなーに?

ZENPEの代表顧問医師で、当疾患の日本における研究班代表でもある国立病院機構東京医療センターの松永達雄先生に、前庭水管拡大症・ペンドレッド症候群を分かりやすく解説していただきました。

前庭水管拡大症ペンドレッド症候群ってなーに?(我が子が診断された!初めて聞く病名だしネットでもあまり情報がなくて不安だな…)
顧問医師、松永達雄先生「私がお答え致します」
国立病機構東京医療センター 臨床研究センター 聴覚平衡覚研究部 部長 臨床遺伝センターセンター長
前庭水管拡大症とは?先天性の内耳奇形の一つで前庭水管の拡大に伴い、感音難聴を呈する疾患。個人差があるが、主な症状は以下の3つが認められる。
1:聴力の変動。
2:進行性の難聴。
3:めまい。
聴力低下やめまいは頭部打撲やいきみなどにより誘発されることがある。一方、明らかな誘因がなくとも聴力低下がみられる場合はあるため、自覚症状を訴えることの難しい乳幼児期から定期的に聴覚検査を受けることが大切である。
ペンドレッド症候群。
両側で前庭水管の拡大と蝸牛の門ディーニ奇形を認めることが多く、前庭水管拡大症の症状に加え10歳頃から甲状腺腫が認められる場合が多い。その一部では甲状腺機能低下も伴う。
日本人では大部分の患者でSLC26A4遺伝子の病的変化が認められる。日本では1万~2万人ほど患者がいるとされている。
松永達雄先生「本疾患は難聴の変動、進行、繰り返すめまい、甲状腺の問題などで、予期せぬ様々な悩みやご不安、ご苦労が長く続く方もおられます。そのような状況にある患者さんとそのご家族に対して、医療の面からより良い対応ができるように取り組んでいきたいと思います。」

前庭水管拡大症

先天性の内耳奇形の一つで前庭水管の拡大に伴い、感音難聴を呈する疾患。個人差があるが、主な症状は以下の3つが認められる。
聴力の変動
進行性の難聴
めまい

聴力低下やめまいは頭部打撲やいきみなどにより誘発されることがある。

一方、明らかな誘因がなくとも聴力低下がみられる場合があるため、自覚症状を訴えることの難しい乳幼児期から定期的に聴覚検査を受けることが大切である。

ペンドレッド症候群

両側で前庭水管の拡大と蝸牛のモンディーニ奇形を認めることが多く、前庭水管拡大症の症状に加え10歳頃から甲状腺腫が認められる場合が多い。その一部では甲状腺機能低下も伴う。

日本人では大部分の患者でSLC26A4遺伝子の 病的変化が認められる。
日本では1万〜2万人*ほど患者がいるとされている。

*Morton CC, Nance WE. N Engl J Med 18;354:2151-64, 2006

メッセージ

代表顧問医師 松永達雄先生より

本疾患は難聴の変動、進行、繰り返すめまい、甲状腺の問題などで、予期せぬ様々な悩みやご不安、ご苦労が長く続く方もおられます。

そのような状況にある患者さんとそのご家族に対して、医療の面からより良い対応ができるように取り組んでいきたいと思います。

医療監修: 国立病院機構東京医療センター 松永達雄先生